Honey dip cuatro

カザネが歩みをすすめると、何やら半円の弧を描くように同じような扉が
10ばかりか並んでいました。その真ん中辺りに子供くらいの背丈で一見、可愛らしい、
が、よくみると少し不気味な、それでいて少しもの悲しげな誰かしらが
ぽつねんと佇んでいました。

「わたしはカザネ、あなたはこんな所で何をしているの?」

「僕はシテロ、迷える子羊さんたちを、この13ある扉の中からそれぞれに
いちばん合った扉へと案内させてもらっているのさ♪とは言ってもこないだ
僕が少しばかり此処を留守にしている間、あの右から三つ目の、ハチミツで出来た扉に
どこかの食いしん坊のお莫迦さんが勝手に入っていったみたいだけどね(苦笑)。
さあて、、、お嬢さんは、、デタラメだらけのこの世の中で本当の答え合わせをしたい、、
のかな?そしてあまいものが好き?なご様子かしらん?ケサランパサラン」

「遠からずだわ、、どうしてわかるの?」

とおんとん、、、

「あの左から4つ目の扉が教えてくれたのさ♪カガミウタの扉といって此処に近づいて
 きた人のいま感じてる心をすこおしばかり映しとってウタにしてしまうのさぁ♪
ケサランパサラン」
 
とおんとん、、、とおんとん、、、

「さっきのウタはその扉のせいだったのね、、そう、、、この、、わがままな嘘や
虚栄心ばかり蔓延る、つまらない世の中に、本当に生きとし生ける意味なんて
あるのかしら?それを知りたくて探し続けているのよ、、、」
 
とおんとん、、、とおんとん、、、
 
「ん〜、、またあの扉かぁ、、?うるさいなぁ、、ケサランパサラン ケサランパサラン」



cinco

Honey dip top