Honey dip diez

「あれから幾つの扉をあけてきたんだろう?今は毎日おんなじ時間に起きて、
あわて、急かされ、心は毎日ストレスに削られて、生きてく為の言葉なんて何処にも
見つからなくて、ただこのまま老いてゆくのかな?なんて、、女の子と交際した事も
無くはないんだけど、今では心がトキメク、なんて事あまりなくなってしまった。
何年か前までは、欲しい物や遣りたい事もたくさんあったんだけど、
今はどうでもよくなってきている。欲シガリマセン勝ツマデハ なんて言葉も何処かで
聞いた事あるけど、そもそも 勝ちたい、って思う事もないし、ないものねだりで
忙しい、じゃなくて、ないものねだりは殆どないのに、なんだか忙しい。

だけど、、、

数日前から少しばかり気になっている事がある。めずらしく少しドキドキしている。
随分と昔に訪れた扉で出会った黒髪の少女がいた。彼女のおかげで僕は助かったらしい。
その少女に面影がとてもよく似ている、、恐らくあの少女がそのまま成長していると、
こうゆう風になってるんじゃないのか?と想像してしまうような女性を
ある行きつけのカフェバーで数日前から見かけるようになった。それまでは
週に2回程度だったが、週に3、4回、通うようになった。彼女も殆ど一人で
来ているようだ。友達らしき人達と連れだって来ている事もあるようだが、
一人で来ている事が多い。僕がカフェバーに行くと居ない時もややあるものの
大抵居る事の方が多いので、従業員かな?とも思ったが、そうではなく、
やはりお客さんとしてらしい。声を掛けてみようか?とも思うがナンパなんてした事
ないし、ストーカーみたいに思われたら嫌なので、彼女の事が気になりながらも、
殆どバーのマダムの若かりし日の恋話のお相手をしている。マダムは異国の紳士が
今でも忘れられないらしい。
そして、、今日もカフェバーへと足をはこんだ。
しかし、、、この日はいつもとすこし違った。」

once

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